図解と事例で学ぶ!収益認識基準 第10回:いつ売上になる?(2)

 公認会計士・税理士 内田 正剛

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第10章 いつ売上になる?(2)

1.収益認識と5つのステップの復習

今回も,ステップ5「義務を果たす=売上」を解説していきます。いつものように今回も,連載第1回( No.3372 )で解説した「【図1】収益認識と5つのステップ」を眺めてから,第10回を読み進めて行きましょう。

【図1】収益認識と5つのステップ

2.特定時点で果たされる約束の売上

(1)特定期間と特定時点のおさらい

売主と買主の間で取り交わされる約束(※)には様々な形態がありますが,会計基準では「特定期間に果たされる約束」(以下「特定期間の約束」とします)と「特定時点に果たされる約束」(以下「特定時点の約束」とします)という2種類に分けて整理しています。このうち「特定期間の約束」は,約束が果たされるに従って進捗度をもとに売上の金額を計算します。一方「特定時点の約束」は,約束を果たした時点で取引価格を売上として会計帳簿へ記録します。なお,考え方の順番は,まず「特定期間に果たされる約束」なのかを検討し,要件を満たさないものは「特定時点に果たされる約束」という順番でルールが整備されています(【図2】)。

(※約束:商品・製品の引き渡しやサービ...