時事談論 vol.26「4大監査法人の決算内容から何が見えるか?」
解説
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●4大監査法人の決算内容
3月決算会社の株主総会が6月末に終わり,翌年度の監査に本格的に着手する9月になって4大監査法人の18年度決算が出そろった。
4大監査法人とも増収とはいうものの,かつての制度改正(四半期制度,J-SOXなど)のような後押しはなく,どこも伸び悩んでいるようである。
また,それよりも減益に陥っているのが,PwCあらたを除いた,EY新日本,トーマツ,あずさの3法人であり,いずれも厳しい決算内容のようだ。
その原因は何かといえば,今後の監査環境に大きな影響を与えるAI等のITの進化に対応した継続的投資や必要人材の確保である。守秘義務を負っている監査人の立場からは,サイバー攻撃に対する備えも欠かせないであろう。
ITの進化等に対して日本企業は出遅れているといわれているが,少なくとも監査法人は日本企業のIT戦略に同時並行でついていかないと,将来のどこかの時点で監査不能の状況に陥ることが予想される。むしろデータ連携を前提としたリアルタイムな監査の実現に向けて,企業側の協力も得ながら,前向きに取り組むべきなのであろう。
いずれにしても,監査法人としては,現在,上場企業のIT...
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