IFRSをめぐる動向 第118回 動的リスク管理の検討状況(その3)

解説

PwCあらた有限責任監査法人 公認会計士 川端 稔

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1.はじめに

本連載は,主に国際会計基準審議会(IASB)の月次会議等における討議内容に基づき,IFRSをめぐる最新の動向を伝えることを目的としています。本稿では,IASBにおける動的リスク管理に関する最近の検討状況として,2018年9月以降に開催されたIASB会議における議論の概要を取り上げます。

IASBは,2017年11月から,動的リスク管理の会計基準の作成に向けた議論を再開しました。2017年11月および12月のIASBの議論については,「IFRSをめぐる動向 第103回 動的リスク管理(マクロヘッジ)」(第3347号)において説明しています。また,動的リスク管理における重要な中核的な論点については,2018年2月から議論が開始されました。2018年2月,3月および4月のIASBにおける議論については,「IFRSをめぐる動向 第105回 動的リスク管理の検討状況」(第3360号)において説明しています。さらに,2018年6月のIASBにおける議論については,「IFRSをめぐる動向 第108回 動的リスク管理の検討状況...