2019年12月期決算Q&A

解説

有限責任監査法人トーマツ 公認会計士 田中 圭

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はじめに

本稿では,2019年12月決算を想定し,「2019年3月期決算Q&A」( No.3398・10頁No. 3399・12頁 )で取り上げた内容から,2019年12月期決算会社に新たに適用される会計基準等である企業会計基準28号「 『税効果会計に係る会計基準』の一部改正 」等および実務対応報告第38号「 資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い 」について,ポイントを改めて解説します。また,12月決算会社では新たに適用される会計基準等に関連する注記について,実際の3月決算の開示例も参考にできますので,あわせて2019年3月期の開示例も紹介します。

加えて,3月決算会社には2020年3月期からの適用となりますが,12月決算会社には2019年12月期決算から適用となる実務対応報告18号の2019年改正がありますので,そちらも解説します。

なお,文中の意見にわたる部分は,筆者の私見であり,筆者の所属する法人の見解ではないことをあらかじめお断りします。

Ⅰ 企業会計基準第28号「 『税効果会計に係る会計基準』の一部改正 」等

企業会...