時事談論 vol.37「補習所なんて要らない」

解説
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●公認会計士試験合格者の皆さん,  合格おめでとうございます  さぁ,補習所へようこそ

2019年11月16日,令和元年(平成31 年)の公認会計士試験の合格者が発表された。合格者数1,337人,願書提出者(12,532人)に対する合格率は10.7%とのことである。

昨年(平成30年)の試験では,願書出願者11,742人に対して,合格者が1,305人,合格率が11.1%であり,ほぼ昨年同様の合格者数・合格率だと言える。

こうした資格試験では,合格者数を固定するか,あるいは,合格率を固定するべきであるが,日本の場合,公認会計士業界の必要に応じて金融庁に懇請して,合格者数を上下してきたように見受けられる。例えば,2008年度の内部統制報告制度の導入のときには,人手が足りないと言って,2007年には合格者数を4,041人(合格率19.3%)にも水膨れさせてしまったこと,さらに最悪なのは,その後,制度導入の繁忙期が過ぎたからと言って,人余りになり,合格しても監査法人に就職できない「未就職者問題」が生じて,2011年には,合格者数を1,511人(合格率 6.5%)にも急減させてしまった...