新春特別寄稿 ディスクロージャー・企業会計等をめぐる動向
解説
金融庁企画市場局 企業開示課長 井上俊剛
( 10頁)
一 はじめに
2019年の企業開示行政を振り返り,2020年の課題をご紹介したい。
まず,コーポレートガバナンス改革については,改革をさらに実質的なものへと深化させていくため,2018年11月より「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」を再開し,両コードの改訂等を踏まえた機関投資家と企業双方の取組みについての検証とそれに基づく議論を行い,2019年4月に意見書を公表した。意見書を踏まえつつ,2019年10月より「スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」(令和元年度)を開催し,スチュワードシップ・コードの再改訂に向け議論を行い,検討を進めている。
企業情報の開示については,投資家の投資判断に必要な情報の十分・適時な提供を確保し,企業と投資家の建設的な対話に資する情報開示を更に促進していくため,金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループにおいて,企業情報の開示及び提供のあり方について,幅広い検討が行われ,2018年6月に報告書が取りまとめられた。この報告書に基づき,2019年1月に府...
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