年頭所感《公益財団法人 日本監査役協会 会長 後藤 敏文》

解説

公益財団法人 日本監査役協会 会長 後藤 敏文

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年頭にあたり,「週刊経営財務」読者の皆様に,謹んで新春のご挨拶を申し上げます。

昨年は,日本代表が大活躍したわが国初のラグビーワールドカップ開催など明るい話題もあった一方で,各地で台風・豪雨による災害に見舞われ,深刻な被害がありました。被災されました方々には,心よりお見舞いを致しますとともに,一日も早い復旧をお祈り申し上げます。近年,自然災害の内容・規模に変化が見られ,企業としては,従業員やその家族の生命にかかわるだけでなく,その持続的な活動そのものへの影響もあり,被害想定も含めた見直しが迫られていると感じております。

好調といわれてきたわが国の企業業績も一時ほどの勢いはなく,米中の貿易摩擦,北朝鮮情勢,英国のEU離脱問題等の世界情勢の影響もあって不透明さが増し,さらにデジタル技術革新によるビジネスモデル変革も求められるなど,企業経営の難しさが一層増していると考えられます。

様々な企業経営の課題への対応を迫られる一方で,企業の持続的成長のために,不祥事防止も引き続き大きな課題となっております。

企業不祥事に対しては,企業統治の一翼を...