「開示検査事例集」(令和元年10月公表)について

解説

証券取引等監視委員会事務局開示検査課 課長補佐 樫山 順一

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証券取引等監視委員会(以下,「監視委」といいます。)は,令和元年10月23日に「開示検査事例集」を公表しました( https://www.fsa.go.jp/sesc/jirei/kaiji/20191023-2.htm )。

「開示検査事例集」は,適正な情報開示に向けた市場関係者の自主的な取組みを促す観点から,監視委による開示検査の最近の取組みや開示検査によって判明した開示規制違反の内容,その背景・原因及び是正策等の概要を取りまとめ,毎年公表しているものです。

今般公表した「開示検査事例集」(以下,単に「開示検査事例集」といいます。)では,昨年(平成30年)7月から本年(令和元年)6月までの間に終了した開示検査の事例を「最新の検査事例」①として追加しています。これらの事例には,課徴金納付命令勧告を行った事例だけでなく,勧告は行わないものの開示規制違反の背景・原因を追究した上でその再発防止策を会社と共有した事例,会社に対して訂正報告書等の自発的な提出を促した事例等,さまざまな事例を含めています。また,「監視委コラム」を増...