Q&Aコーナー 気になる論点(257)IASBにおける財務諸表の表示の改正案(2)
早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一
Q 国際会計基準審議会(IASB)は,IAS第1号「財務諸表の表示」を置き換えるように,2019年12月17日に公開草案(ED)「全般的な表示及び開示」(IAS第1号改正案)を公表しています(コメント期限:2020年6月30日)。IAS第1号改正案では,持分法適用投資に関する損益について新たな表示を提案していますので,持分法そのものの見直しは,もはや行わないのでしょうか。 |
A
IASBでは,持分法の見直しをリサーチ・パイプラインとしており,これには,より根本的なレビューが必要かどうかの評価が含まれています。IASBスタッフは,今後,持分法のパイプラインプロジェクトの作業を開始するかどうかを検討しています。
<解説>
IAS第1号改正案(1)‐背景
現行のIAS第1号82項(c)では,持分法で会計処理されている関連会社及びジョイントベンチャーからの損益を,区分表示することとしていますが,その場所は指定していません。この点につき,IAS第1号改正案では,以下のように実務上バラつきがあるとしています(BC8項)①...
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