令和元年改正会社法の実務上の留意点 第1回 株主総会関係

解説

西村あさひ法律事務所 弁護士 髙木 弘明

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1 令和元年会社法改正の経緯と施行予定

2019(令和元)年12月4日,会社法の一部を改正する法律(令和元年法律第70号。以下「改正法」といい,改正法による改正後の会社法を「改正会社法」という)及び会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(令和元年法律第71号。以下「整備法」という)が成立し,同月11日に公布された。

会社法は,2014(平成26)年に改正されたが,その改正附則25条において「政府は,この法律の施行後2年を経過した場合において,社外取締役の選任状況その他の社会経済情勢の変化等を勘案し,企業統治に係る制度の在り方について検討を加え,必要があると認めるときは,その結果に基づいて,社外取締役を置くことの義務付け等所要の措置を講ずるものとする。」と定められていた。今回の改正は同条を踏まえた検討の結果である。

改正法の施行日は,「公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日」とされており,過去の商法・会社法改正時の施行日を踏襲するとすれば,2021年4月1日又は同年5月1日となること...