有限責任監査法人トーマツ　公認会計士　石原　宏司

はじめに

本稿では，IFRS適用企業に2020年３月期の決算において強制適用される基準等及び公表済未発効の基準等を紹介します。また，令和２年度税制改正における法人税法改正案による連結納税制度の見直しのIFRS連結財務諸表に与える影響についても解説します。

文中の意見にわたる部分は，筆者の私見であり，筆者の所属する法人の見解ではないことをあらかじめお断りします。

Q1　 IFRS適用企業に2020年３月期に強制適用となる基準及び解釈指針について教えてください。

2020年３月期に強制適用となるIFRSの基準及び解釈指針は図表１のとおりとなります。

【図表１】2020年３月期に強制適用となるIFRSの基準及び解釈指針

公表時期基準・解釈指針主な内容2016年１月IFRS第16号「リース」リースの識別，認識，測定，表示及び開示2017年10月IAS第28号「関連会社または共同支配企業に対する投資」の修正関連会社または共同支配企業に対する長期持分の会計処理2017年10月IFRS第９号「金融商品」の修正負の補償を伴う期限前償還要素2018年２...