2020年3月期日本基準決算Q&A

前編 改正開示府令と改正実務対応報告第18号

有限責任監査法人トーマツ 公認会計士 戒能 唯
有限責任監査法人トーマツ 公認会計士 田中 圭

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Ⅰ.改正開示府令

Q1 2019年1月に公布された内閣府令第3号「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」について,改正の趣旨及び概要を教えてください。

金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」において,2017年12月より,企業情報の開示・提供のあり方について,検討及び審議を行っていましたが,2018年6月28日に「ディスクロージャーワーキング・グループ報告 ―資本市場における好循環の実現に向けて―」が公表されました。

当該報告では,資本市場の機能の発揮を通じ,我が国全体の最適な資金フローを実現し,企業価値の向上及びその果実の家計への還元につなげるという好循環を実現するという観点から,我が国の企業情報の開示が,資本市場における効率的な資源配分を実現するための基本的インフラとしての役割を十分に果たしていくことが可能となるよう,投資判断に必要とされる情報の充実,情報の信頼性・適時性の確保に向けた提言がなされていました。

この提言を踏まえ,有価証券報告書等の記載内容の改正を行うため,2019年1月31日に,内閣府令第3号「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正す...