ハーフタイム 巨大デジタル・プラットフォーマーのあり方

解説
( 49頁)

ひと昔前までは,モノ(商品)は実店舗での販売が中心だった。それが現在ではEC化が進み,オンラインモールといわれる仮想店舗空間が拡大し続けている。また,スマートフォン等で手軽にアプリを通じてもモノ,サービスを購入できるようになり,アプリを介した取引市場も拡大し続けている状況にある。便利なのは結構なことだが,会計処理を行う側という立場になるとそう単純に喜んでばかりはいられない。オンラインモールやアプリストア(App StoreやGoogle Playなど)を運営する事業者(プラットフォーム運営事業者)からデータをタイムリーかつ正しく入手できなければ,これらのプラットフォーム(PF)を利用してモノ・サービスを販売する利用事業者側(PF利用事業者)が会計や税務処理を正確に行えない場面が生じるからだ。

実際,PF利用事業者がPF運営事業者に決算用の残高確認の依頼をしたところ,PF運営事業者側の都合で回答してもらえないなどの対応を取られることがあったようだ。そのため,必要なデータが得られず監査対応で説明に苦労した事例があったともきく。

ところが最近風向きが変わってきた。GAFA規制とい...