弁護士　中村直人

　弁護士　後藤晃輔

本稿では，本年の株主総会でトピックとなる問題について，想定される質問とその回答例を掲載する。回答は各社の状況によって決まるものであって，本稿の回答例はあくまでも参考事例に過ぎないことには留意されたい。

１　新型コロナウイルス感染症の業績への影響

質問例５月に開示された決算短信において，令和３（2021）年３月期の業績予想が明らかにされているが，これは，新型コロナウイルス感染症の収束見通しをどのような前提で策定されたものか。また，業績予想では，減収減益であるが，足下の実績及び現在の新型コロナウイルス感染症の収束見通しを踏まえ修正される可能性について教えて欲しい。回答例５月に開示した決算短信における令和３（2021）年３月期の業績予想は，現在の状況が７月まで続くことを想定しています。その後は，緩やかに回復していくものと想定していますが，令和３（2021）年３月までは国内はもちろんのこと，欧米の経済状況もそれほど劇的に回復するものとは考えていません。第１四半期の実績や今後の業績見通しの修正の見込みについて...