【投資家が求める開示】企業分析の視点からみたIFRS財務諸表 第6回 事業にはニンゲンが最も重要!
解説
株式会社野村総合研究所 上級研究員 三井 千絵
~企業のバリュードライバーを,いかに開示するか?~
( 22頁)
筆者らは投資家等情報利用者を中心に自主的に集まり,IFRS財務諸表の課題について議論するワークショップを年3~4回開催している。このワークショップは,特定の資格や特定の業種に属するメンバーだけの集まりではないという点と,会計基準ではなくむしろ開示の問題を議論するという点が特徴となっている。
毎回のテーマは参加者の希望により決めている。最近のテーマはIFRSに直接関連するものにとどまらず,国際的に注目されている開示の論点や動向,今後を見据えた内容へと広がりを見せている。今回のテーマもこの連載としては珍しいと思われるかもしれない。扱ったのはWorkforce(労働力)の開示だった。
1.Workforceの開示の議論
Workforceの開示を取り上げることになったのは,昨年英国のFRC(Financial Reporting Council:英国で企業報告,監査等を管轄するレギュレーター)が取り組んでいたプロジェクト「Workforce-related corporate repor...
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