ミニファイル 赤字上場の緩和

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東京証券取引所は今年10月に市場区分再編(2022年4月)の前段階の取組みとして,新規上場(IPO)基準等を改正した。改正の目玉のひとつが,赤字上場の緩和だ。本則市場等について,上場に係る形式基準等を見直した。実質的な収益基盤や開示の内容を確認することで,投資による一時的な赤字の場合,投資内容,今後の見通し次第では赤字でも上場を可能とした。これにより,研究開発投資等が先行する会社にとっては,従来よりも上場しやすい環境となった。

具体的な審査上の確認点については,新たに更新された「新規上場ガイドブック」が参考になる。例えば一部市場であれば,投資の内容(投資対象・金額,企業価値向上に向けた投資の狙い...