厳選!現場からの緊急相談Q&A 第72回(最終回) 決算における新型コロナウイルス感染症の影響についての留意点

有限責任監査法人トーマツ 公認会計士 和田 夢斗

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経理部長 :わが社においても新型コロナウイルス感染症による事業への影響が出ており,今後の決算においても検討が必要な論点が色々と発生することが見込まれています。新型コロナウイルス感染症の影響に関して,決算上留意が必要と考えられるポイントを改めておさらいしたいのですが,どのような点に留意するべきでしょうか。
会計士 :新型コロナウイルス感染症の影響は,業種,業態によって様々だと考えられますが,期末及び四半期決算において留意が必要と考えられる論点を中心に考えられるポイントをおさらいしていきましょう。

(文中の意見にわたる部分は,筆者の私見であり,筆者の所属する法人の見解ではないことをあらかじめお断りします。)

本稿では,会計基準等について以下の略称といたします。

・企業会計基準第24号「 会計方針の開示,会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準 」(以下「企業会計基準第24号」という。)

・会計制度委員会報告第14号「 金融商品会計に関する実務指針 」(以下「金融商品実務指針」という。)

・会計制度委員会「 金融商品会計に関するQ&A 」(以下「金融商品Q&A」という。)

・企業会計審議会「固定資産の減損に関する会計基...