年頭所感《一般社団法人 日本経済団体連合会 常務理事 井上 隆》

一般社団法人 日本経済団体連合会 常務理事 井上 隆

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年頭にあたり,「週刊経営財務」読者の皆様方に,謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

昨年,世界は新型コロナウイルス感染症の拡大という極めて大きな災禍(コロナ禍)に見舞われました。今なお,その猛威は衰えるどころか,勢いを増しており,国内でも,新年早々,緊急事態宣言が再び発出されました。最前線で昼夜を問わず対応されている医療関係者の皆様に,心より敬意と感謝の意を表したいと思います。

コロナ禍により,内外の経済は大きな打撃を受け,その影響は特に社会的な弱者に顕著となり,格差が浮き彫りとなりました。また,人々の生活や日々の社会経済活動は大きな変化を余儀なくされ,デジタル化の遅れをはじめとする日本社会の課題も明らかとなりました。2021年は,コロナ禍を乗り越え,希望に満ちた復活の年としなければなりません。まずは,国を挙げて,感染拡大の防止と経済回復の両立に全力で取り組む必要があります。

経団連は,昨年11月に,「。新成長戦略」(「。」はこれまでの路線に一旦終止符を打つ意味)を公表し,ウィズ・コロナ,ポスト・コロナに向けた行動指針や必要な政策対応を提示いたしました。経団連が提唱しているSociety 5....