年頭所感《日本取引所グループ 取締役兼代表執行役グループCEO 清田 瞭》

日本取引所グループ 取締役兼代表執行役グループCEO 清田 瞭

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明けましておめでとうございます。

日本取引所グループの清田でございます。

年頭に当たり,皆様のご健勝を心よりお祝いいたしますと共に,本年も一層のご活躍をお祈り申し上げます。

さて,新年のご挨拶にあたり,最初に,昨年の株式市場について振り返りたいと思います。

昨年は,新型コロナウイルスの感染拡大とその対応に伴い,人々の生活様式やビジネスのあり方が大きな変革を余儀なくされた一年でありました。

我が国株式市場は年初,2万3千円程度で始まりましたが,新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて,2月,3月には世界中で悲観的な見方が広がり,株価は急落いたしました。しかしながら,その後にとられた世界各国の未曽有の金融緩和と大規模な財政出動により,株価はV字回復を見せ,夏場にはコロナ前の水準を回復いたしました。11月に入ると,米国大統領選の結果やワクチン開発成功の報道を受け,ニューヨーク株式市場は一段高となりました。そして史上初の3万ドルを突破し,それを受けて日経平均も年末には30年ぶりの2万7千円台を回復し,バブル後最高値を更新いたしました。

次に株式の新規上場について見てみますと,3月,4月には18社の新規...