時事談論 vol.91「CPEは誰のためにあるのか」
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●CPE制度は要らない?
昨年,某大手監査法人において,日本公認会計士協会(以下,「協会」)の継続的専門研修制度(Continuing Professional Education: CPE)の単位を不正に取得していたという事件があった。
協会ウェブサイトの説明によれば,同制度は,公認会計士法第28条によって法定義務化されており,協会の会員である公認会計士は,「集合研修」として,協会主催の研修や監査法人主催の研修等を受講すること,あるいは,「自己学習」として,協会が指定する雑誌記事を読んでその要旨を纏めて協会に送る等の方法で,直前3事業年度で合計120単位以上の研修を受講することが求められている。
CPE義務不履行者に対して,協会は,「研修の履修指示,氏名等の公示・公表,監査業務の辞退勧告といった措置や,戒告,会員権停止,退会勧告等の自主規制としての懲戒処分のほか,金融庁長官への行政処分請求を付加する」こともあるとされている。
上記のケースでは,大手監査法人等に委ねられているCPE研修の実施において,ウェブ研修に複数のアカウントで同時にログインして履修を達成するという方法で行われた。報道による...
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