JICPA座談会 KAM本適用に向けた展望と期待 第3回 監査役等編

日本電気常勤監査役/日本監査役協会副会長, 会計委員会委員長 川島勇
日本板硝子監査委員/日本監査役協会会計委員  皆川邦仁
日本公認会計士協会 常務理事 志村さやか
日本公認会計士協会 KAM分析チーム メンバー 石原鉄也

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2021年3月期から始まる「監査上の主要な検討事項(KAM)」の本適用を控え,本誌では,日本公認会計士協会(JICPA)でKAMの早期適用事例の分析を行った公認会計士チームと,各界関係者(研究者,アナリスト,監査役等)との連続座談会を実施した。
最終回となる第3回は,監査役等編。KAM導入による監査役等の実務への影響,監査人との協議,制度浸透により期待する効果等について,意見を伺った。
(座談会はオンラインで2月24日に行った。)

志村  JICPAで常務理事を務めている志村と申します。本日はKAMについて,監査役等の方のご意見をお伺いしたいと思います。まずは,簡単に自己紹介をお願いします。

川島  日本電気常勤監査役,日本監査役協会副会長の川島です。日本監査役協会では,会計委員会の委員長を務めており,皆川さんと一緒にKAMに関するQ&A集等の対応もさせていただいております。

日本電気は,2020年3月期でのKAMの早期適用はしていませんが,KAMをどう記載するのか等のドライランを実施し,監査人と一緒に対応を進めてきました。

皆川 日本板硝子の取締役監査委員を務めている皆川です。日本監査役協会の会計委...