欧州委員会 すべての大企業・公開企業に非財務情報開示求める

サステナビリティ情報開示を強化へ
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欧州連合(EU)の政策執行機関である欧州委員会(EC)は4月21日,サステナブル・ファイナンスの発展に向けて3つの要素からなる一連の文書(パッケージ)を公表した。サステナブル(持続可能)な技術やビジネスへの投資を促進することで,2050年までの気候中立(≒カーボンニュートラル)社会の実現を目指す。パッケージの中には既存の「非財務情報開示指令」(NFRD)による規則を改正した,新たな「企業のサステナビリティ情報開示指令」(CSRD)制定の提案も含まれている。より広範な会社への報告義務付けなどが盛り込まれたこの提案には,国際統合報告評議会(IIRC)などから賛意が示されており,今後議論は一層加速しそうだ。

非財務情報の信頼性向上目指す

この度公表された一連の文書は,①「気候に関するEUタクソノミーの委任法令」,②「CSRDの提案」,③「6つの修正の委任法令」の3点。これらのうち②で,サステナビリティ情報開示を改善し会社に一貫性のある開示を求めることで,比較可能性と信頼性の向上を目指す。

現在,EUではNFRDによって非財務情報の開示が求められているが,CSRDではそれをさらに強化し,将来的には財...