IESBA 大会社に対する非保証業務提供の制限などで独立性を強化

非保証業務と報酬に関して倫理規程を改訂
( 02頁)
国際会計士倫理基準審議会(IESBA)は4月28日,倫理規程の改訂を公表した。①非保証業務に関するものと②報酬に関するもので,2020年1月に公開草案を公表し,同年5月までコメント募集をした( No.3442・3頁No.3448・12頁No.3449・16頁 )。コメントを受けて見直された部分もあるものの,監査依頼人が大会社(PIE)である場合,自己レビューにつながる非保証業務の提供が禁止されたり,5年連続で報酬依存度が15%を超えた場合に辞任が求められたりする点は公開草案での提案のまま織り込まれた。いずれも2022年12月15日以降開始する監査・会計年度から適用となる。

自己レビューや過度な報酬依存を防ぐ

今回の改訂はいずれも,監査人の独立性を強化することを目的としており,2010年代の中盤からプロジェクトが進行。2020年1月の公開草案には,非保証業務に66件,報酬に64件のコメントが寄せられていた。新型コロナウイルス感染症拡大の先行きが不透明な状況である上に,PIEの定義の見直し(No.3494・6頁参照)をしている中での改訂に再考を促すコメントもあったが,検討の結果,改訂時期は変更...