2021年3月期短信は平年並みの公表状況

追加情報でワクチン接種に触れた事例も
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2021年3月期の決算短信がほぼ出揃った。2020年3月期は新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)が拡大する中での初めての決算作業で,慣れない在宅勤務による作業遅延などで決算発表の延期が相次いだが( No.3454・8頁 など),2度目となる今回の作業はどうだったか。5月17日までに公表された短信の件数を両年で比べると今回の方が500件以上多く,数だけで見れば平年並みと言える。ただ,新型コロナについて追加情報で記載している事例や決算発表を延期した事例もあり,依然として感染拡大の影響は続いているようだ。

2019年3月期と同程度にまで回復

東京証券取引所の「決算短信・四半期決算短信作成要領等」では,期末(四半期末)から45日以内の開示(50日を超える場合はその理由等の開示)が求められており,45日目が土日・祝日等の休日である場合は翌営業日以内となる。2021年3月31日決算の場合は,5月17日が当該期日だった。

そこで,5月17日までに公表された2021年3月期の決算短信を集計してみると,すべての会計基準を対象にすると2,305件,日本基準のみだと2,152件だった。これを2020年3月期と比較す...