公認会計士法が一部改正 監査報告書の電子署名が可能に

デジタル社会形成整備法が成立
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様々な行政手続きにおける押印業務廃止などを掲げた「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案」が,5月12日の参議院本会議で可決,成立し,19日に公布された。新型コロナウイルス禍で浮き彫りとなったデジタル化の遅れに対応し,関係法律の整備を行う。これを受けて公認会計士法が一部改正され,監査報告書における押印を署名のみの対応に代えることができるようになる。施行日は2021年9月1日。

コロナ契機に押印見直し

デジタル化の進展に伴い押印文化の見直しは俎上に載っていたものの,新型コロナの感染拡大がトリガーとなった。経理や監査の現場でも,押印のために出社せざるを得ないという課題が生じていたところ,金融庁・法務省・経済産業省が連名で2020年4月に公表した「継続会( 会社法317条 )について」では,「決算や監査実務の遂行に当たって書面への押印を求めるなどの慣行は見直されるべきである」と記された。

監査業務において,監査報告書への押印・署名については定めがある(公認会計士法第34条の12第2項=図表,監査証明府令第4条)。しかし,コロナの第一波は2020年3月期決算・監査作業を直撃。従来の押...