近年，取締役等の報酬についてのルール強化が進んでいる。例えば2019（令和元）年会社法改正では，従来は指名委員会等設置会社にのみ求められていた報酬等の決定方針に関してより広範な会社が対象となった。また，コーポレートガバナンス・コード（CGコード）には2018年に「客観性・透明性ある手続に従い，報酬制度を設計し，具体的な報酬額を決定すべき」との補充原則が加えられた。

こうした傾向は日本以外でも顕著だ。英国でも報酬の開示は法で規定されているが，高額な役員報酬への懸念が高まっていることなどから，2018年にCGコードを改訂。報酬委員会の役割や，役員報酬と従業員報酬とのつながりといった点に焦点を当て，報...