会計審 品質管理基準を改訂へ,監査事務所の品質管理強化図る

国際動向受け,リスク・アプローチに基づくシステム導入
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金融庁・企業会計審議会(徳賀芳弘会長)は6月16日,第52回監査部会(堀江正之部会長)を開催した。今回は,「監査に関する品質管理基準」(以下,品質管理基準)の改訂案の文案が示され,審議が行われた。主な改訂内容は,国際品質マネジメント基準(ISQM)1の策定(2020年12月確定版公表,2022年12月適用)等を踏まえ,監査事務所における品質管理の強化等を図るもの。公開草案として公表し,1カ月間の意見募集期間を設ける。
改訂基準は,2023年7月1日以後に開始する事業年度または会計期間(公認会計士法上の大規模監査法人以外の監査事務所においては,2024年7月1日以後に開始する事業年度または会計期間)に係る財務諸表の監査から実施する予定だ。

監査品質に影響及ぼすリスクを積極的に識別

品質管理基準は, 監査事務所による監査業務 の質を合理的に確保するためのもの。監査事務所による監査の品質管理では,最高責任者が品質管理体制を構築するためにリーダーシップを発揮することや,監査リスクに見合った組織的監査を実施する体制の構築が重要となる。

この点,新たに策定された国際的な品質管理の基準であるISQM1等では...