収益認識基準適用会社に聞く「経営の視点×経理の視点」

~準備から導入後の実務を通して得た知見~
( 14頁)
株式会社TKC 代表取締役社長 飯塚 真規
株式会社TKC 経理部次長 三崎 英紀
 公認会計士・税理士 内田 正剛

<編集部より>

「収益認識に関する会計基準」の原則適用が2022年3月期の期首から始まった。会計基準の公表後は,内容の理解や導入準備のための経理実務に焦点があたることが多かったが,本会計基準は事業全般に関わる基準であり,経営側の視点も欠かせない。

そこで本誌は,2021年9月期第1四半期から収益認識基準を早期適用した株式会社TKCにインタビューを実施。導入準備を進める中で,経営者は自社のビジネスの将来を見据え,会計基準とどう向き合い,そして方針決定を行ったのか。また,経営と監査法人の結節点となる経理の現場ではどのような議論が行われたのか。「経営の視点」と「経理の視点」の両面から基準対応に関する話を聞いた。入念に準備を進めながらも,適用開始後に浮かび上がった課題もあったという現場の声もお届けしたい。

聞き手は,本誌経営財務データベースの収益認識基準解説で最多閲覧数を誇る公認会計士・税理士の内田正剛氏。本誌連載と同様に,実務目線で展開する。

1.早期適用の理由と対応

「蓄積したノウハウを提供...