ナッジで解決!経理パーソンの悩みごと 第4回 相手をやる気にする!「依頼の伝え方」ナッジ(どう書くか編)

管理会計ラボ株式会社 代表取締役・公認会計士 梅澤 真由美

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第2回( No.3507・28頁 )と第3回( No.3509・20頁 )では,「どこに」「何を」書くかを取り上げました。今回は,依頼の伝え方の仕上げとして,「どう書くか」を解説していきます。

「どこに何を書くかが決まれば,配慮は十分なのでは」と思う方もいるでしょう。しかし,それだけでは欠ける視点があります。それは,見た目です。

前回,「簡単にできそう」という魅力でひきつける(ナッジの考え方でいえば,Attract)のが大事だと言いました。内容の前に目が行くのは,やはり見た目です。

ぱっと見たところ,細かい情報がたくさん書かれていると,難しそうな印象を与えてしまいます。「見た目が9割」という本も何年か前にはやりました。見た目がすべてというわけではありませんが,大事であることは間違いありません。

そこで,今回は見た目を大きく左右する,「どう書くか」を具体的に考えていきましょう。

1.必要な情報すべてを書こうとしない

前回ご紹介したとおり,まずは対象者,所要時間を分かりやすい場所に書きます。では,本文などそれ以外の情報はどのように書いたらいいでしょうか。

ポイントは「引き算」です。人は,どうしてもこれも必要あれ...