2021年6月第1四半期IFRS決算Q&A

有限責任監査法人トーマツ 公認会計士 石原 宏司

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Ⅰ はじめに

本稿では,本誌 No.3500No.3502 に連載した「2021年3月期IFRS決算Q&A」の続編として,IFRS適用企業に2021年6月第1四半期に強制適用される基準及び公表済未発効の基準の一覧,IFRS四半期財務諸表における新型コロナウイルス感染症の影響に関する開示の考慮事項,さらに最近公表されたIFRS解釈指針委員会のアジェンダ決定等の内容を紹介します。

2021年6月第1四半期決算においても,新型コロナウイルス感染症の影響を受ける可能性のある主な項目を含め,「2021年3月期IFRS決算Q&A」で解説した内容の多くが関連することになります。これらの詳細な内容につきましては,「2021年3月期IFRS決算Q&A」をご参照いただきたいと思います。

文中の意見にわたる部分は,筆者の私見であり,筆者の所属する法人の見解ではないことをあらかじめお断りします。

Ⅱ IFRS適用企業に2021年6月第1四半期に強制適用となる基準

Q1 IFRS適用企業に2021年6月第1四半期に強制適用となる基準等について教えてください。

3月決算のIFRS適用企業において,2021年6月第1四半期に強制...