KAMの本適用に関する座談会 第2回 監査人編

 日本公認会計士協会 副会長/有限責任 あずさ監査法人 パートナー 小倉 加奈子
有限責任監査法人トーマツ パートナー 永山 晴子
[司会・進行]青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科 教授 町田 祥弘

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 監査上の主要な検討事項(KAM)の本適用に関する座談会の第2回は,監査人編をお届けする。前回( No.3518・12頁 )は監査役等に監査人との議論や今後の課題などについて伺ったが,今回はKAMを選定・記載した側である監査人に,監査役等との議論や今後の課題,さらに実務2年目に向けての留意点などをテーマにお話しいただいた。

町田祥弘氏(以下,町田)  本日は,前回の監査役等編に続く第2回目の座談会として,KAMの作成を行う監査人の方々のお話を伺います。まずは,自己紹介を兼ねて,KAMとの全般的な関わりについてお聞かせください。

小倉加奈子氏(以下,小倉)  日本公認会計士協会(JICPA)・副会長/有限責任 あずさ監査法人・パートナーの小倉です。JICPAで監査基準を担当しながら,監査法人で監査業務に携わっています。KAMについては,JICPAでは2021年3月期からの本適用に向けた留意点を示したレターの公表 や,XBRLへのタグ付け の周知に取り組んできました。監査法人では早期適用済みの1社を含む関与先計4社について,内容の検討などをしました。

永山晴子氏(以下,永山) 有限責任監査法人トーマツ・パ...