会計審 「監査に関する品質管理基準」の改訂,監査部会が取りまとめ

国際基準と整合図り,リスク・アプローチ導入
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金融庁・企業会計審議会(徳賀芳弘会長)は10月26日,第53回監査部会(堀江正之部会長)を開催した。今回の議題は,6月公表の「監査に関する品質管理基準」改訂案に寄せられた意見を踏まえた検討と,「会計監査の在り方に関する懇談会」の審議内容を踏まえた検討,の2点。品質管理基準の主な改訂内容は,国際品質マネジメント基準(ISQM)1の策定(2020年12月確定版公表,2022年12月適用)等を踏まえたもの。リスク ・アプローチに基づく品質管理システム等を導入し,監査事務所の品質管理を強化する。改訂案に対しては委員から賛同意見が相次ぎ,今後,部会の意見書案として,企業会計審議会総会に諮る予定だ。

品質管理システムの構成要素を追加

品質管理基準は, 監査事務所による監査業務の質を合理的に確保するための基準である。他方,国際品質マネジメント基準では,監査品質に影響を及ぼす可能性のあるリスクを積極的に識別,監査事務所として主体的に対応するリスク・アプローチを導入している。

監査部会では,2021年2月から,国際品質マネジメント基準との整合性を確保し,日本の監査を巡る状況を踏まえて品質管理基準を改訂するため...