IFRS財団 今後は2つのプロトタイプを基に基準を検討

ISSB設立を正式発表
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英・グラスゴーで11月12日まで開催されている国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)。世界規模での気候変動対策が議論される中,11月3日にはIFRS財団トラスティ議長のリーカネン氏がスピーチし,国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の設立を正式に発表した。ISSBの設立により,IFRS財団による国際的なサステナビリティ報告基準づくりが本格化することが見込まれる。

CDSBとVRFと統合

IFRS財団では2020年9月の協議文書公表以来,本年4月の定款変更や6月の技術的準備ワーキンググループ(TRWG)組成など,ISSB設立に向けて着実に歩みを進めてきた。そうした中,当初の予定通り,COP26において正式に審議会設立を公表するに至った。

リーカネン氏のスピーチは,COP26の中で開催された「ネット・ゼロのための金融システム」と題したイベントの冒頭で行われた。そこで言及された内容は,以下の3点だ。

①ISSBを設立すること

②2022年6月までに,ISSBと気候変動開示基準委員会(CDSB),価値報告財団(VRF)を統合すること

③TRWGによる2つのプロトタイプ‐気候関連の開示と,...