IASB 改正で有用性の向上目指す

「経営者による説明」に関するWebセミナーを公開
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国際会計基準審議会(IASB)は現在,公開草案「経営者による説明」(マネジメント・コメンタリー)について11月23日まで意見募集をしている。既存のIFRS実務記述書第1号「経営者による説明」を置き換えて,開示目的に基づいたアプローチを導入することなどを提案するものだ( No.3509・2頁 参照)。この公開草案について,IASBでは10月19日,日本語によるWebセミナーを公開した。セミナーではIASB理事の鈴木理加氏と,IFRS財団アジア・オセアニアオフィススタッフの飯嶋めぐみ氏が,公開草案の目的や内容を説明している。本稿では,セミナーの概要を紹介する。

有用性の向上が改正の目的

セミナーの前半では,鈴木氏が公開草案の概要として,プロジェクトに取り組んでいる理由やその目的などを説明した。

「経営者による説明」とは財務諸表を補完するためのもので,通常は企業の年次報告書と共に,「経営者による検討および分析」,「戦略報告書」などの名称で提供される。財務諸表の解釈に必要な追加的な情報を提供することが目的で,企業の長期的な成功のための主要な事項に関して,財務情報・非財務情報を組み合わせて記述されるのが特...