アップデート!非財務情報開示の今 第9回 非財務情報の開示を巡る国内外の動向(2022年4~6月の動向)

有限責任 あずさ監査法人 開示高度化推進部 新名谷 寛昌

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1.はじめに

本連載企画「非財務情報の開示を巡る国内外の動向」では、各月における国内外の非財務情報に関する最新動向について解説している。2022年については、四半期を目途にその動向について解説を行っていく。このため、本稿では、2022年4月~6月の動向について、以下に焦点を当てて解説する。

(国内の動向)

・金融審議会によるディスクロージャーワーキング・グループ報告(以下「DWG報告」という。)の公表

(国際的な動向)

・IFRSR財団による統合報告フレームワークと統合的思考原則の開発に向けた声明の発表

・欧州財務報告諮問グループ(以下「EFRAG」という。)による欧州サステナビリティ報告基準(以下「ESRS」という。)に係る公開草案の公表

・英国財務報告評議会(以下「FRC」という。)による戦略報告書に係るガイダンスの改訂

・国際サステナビリティ基準審議会(以下「ISSB審議会」という。)のボードメンバーの選任

なお、本文中の意見に関する部分は筆者の私見であることを予めお断りする。

2.国内の動向(金融審議会によるDWG報告の公表)

2022年6月、金融庁に設置されている金融審議会よりDWG報告が公表され...