Q&Aコーナー 気になる論点(317) 政府補助金の会計処理
早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一
Q 米国財務会計基準審議会(FASB)は、2022年6月13日にコメント募集(ITC)「営利企業による政府補助金の会計‐IAS第20号「政府補助金の会計処理及び政府援助の開示」の米国基準への潜在的な組込み」(以下「コメント募集」という)を公表しました。これは、米国基準において、政府補助金の会計処理に関する具体的なガイダンスはなく、実務上バラつきが生じているためとしていますが、選択肢が問題となっているIAS第20号を適用しても、バラつきはなくならないのではないでしょうか。 |
A
IASBが2021年3月に公表した情報要請「第3次アジェンダ協議」において、政府補助金の会計処理の選択肢によって比較可能性が低下するとされていたように、IAS第20号を適用しても、バラつきはなくならないと考えられます。
<解説>
背景
FASBが2022年6月に公表したコメント募集において、米国基準では、企業が政府から受け取った補助金をどのように認識、測定、表示すべきかについての具体的なガイダンスを提供しておらず、このため、多くの米国企業がIAS第20号のガイダンスを類推しているとし、関係者は、そのようなガイダンスがないこと...
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