22年3月期有報 通算税効果額の授受を行わない事例も

グループ通算実務対応報告の適用状況
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本誌が2022年3月期の有価証券報告書を調査したところ、実務対応報告第42号「 グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い 」について、多くの企業が原則適用することがわかった。また、実務対応報告第42号の定めにはない、「通算税効果額の授受を行わない」取扱いを採用する企業が見られた。個別財務諸表における繰延税金資産の回収可能性の判断において、通算税効果額の影響を考慮せずに取り扱うとしている。

グループ通算実務対応報告の適用はじまる

グループ通算制度の実務対応報告第42号は、法人税法の適用開始に対応するように、原則適用の時期を「2022年4月1日以後に開始する連結会計年度および事業年度の期首から」としている。ただし、税効果会計に関する会計処理と開示については、より早期に企業の実態を適切に反映させる観点から、「2022年3月31日以後に終了する連結会計年度および事業年度の期末の連結財務諸表および個別財務諸表から」の適用が可能だ。

本誌が、2022年3月期の有報を調査したところ、多くの企業が実務対応報告第42号を原則適用することがわかった(表1)。

【表1】2022年3月期の状況

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