DWG報告のポイント⑧ 有価証券報告書の株主総会前提出

十分に早い時期でなくとも総会前の提出を期待
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第8回のテーマは有価証券報告書の株主総会前提出。DWG報告では、それぞれの企業が置かれた状況や投資家との対話も踏まえつつ、まずは、必ずしも十分に早い時期でなくとも株主総会前に有報を提出するといった取組みが期待されるとしている。

(1)背景

現状、有価証券報告書(有報)は、株主総会直後に提出されているケースが多い。

しかし、株主との建設的な対話を充実させていく観点から、事業報告・計算書類(事業報告等)よりも充実した情報が記載されている有報の総会前提出を求める声がある。この点、前回のDWG報告(2018年6月28日公表)においても、総会前に有報の提出を行っている企業においては、株主や投資家からの評価が高まるなどの効果が認識されており、このような認識の浸透等を通じて、有報の総会前提出が拡大していくことが望ましいとされていた。

(2)DWG報告の提言

前回のDWG報告の後も有報の総会前提出は進んでいない。例えば、2021年3月期決算の東証上場会社において有報の総会前提出を行ったのはわずか27社に留まる(No.3525)。この点、DWG報告では、それぞれの企業が置かれた状況や投資家との対話も踏まえつつ、例...