消費税「インボイス制度」に係る実務上の疑問点Q&A 第7回 クレジットカード払の取扱い

 公認会計士・税理士 太田 達也

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令和5年10月5日から、消費税のインボイス制度の適用が開始されます。インボイス制度は新しい制度であり、従来の実務にない新たな対応が多く求められることになります。

本連載では、インボイス制度について、実務上問題の生じやすいテーマを取り上げていきたいと思います。第7回は、クレジットカード払に係る対応について取り上げます。

Q

当社は、複数の従業員に石油会社の給油カードを交付しており、各従業員はそのカードをガソリンスタンドに提示することにより、支払代金は当社の法人口座から一括して引き落とされます。各従業員はガソリンスタンドで領収書の交付を受けておらず、利用金額は当社宛のクレジットカード利用明細書に表示されます。クレジットカード利用明細書には、石油会社の名称と利用金額が記載されるだけです。

インボイス制度下において、クレジットカード利用明細書の保存だけでは仕入税額控除の適用は受けられないと思いますが、どのように対応すればよいのでしょうか。

また、高速道路を利用したときのETC料金についても、インボイス制度下における対応を教えてください。

A

1.クレジットカード利用明細書の位置づけ

クレジットカード利用明細書...