経理部 進化論 第3回 FP&Aの武器としての「財務諸表」について考える

~FP&Aという選択肢

グロービス経営大学院  鷲巣 大輔

( 50頁)

近年、ファイナンス人材のキャリア候補としてFP&A(Financial Planning & Analysis)に注目が集まっています。従来の経理や財務の役割を大きく超え、より経営の意思決定を支える上で重要な役割を果たすFP&Aというポジションについて、様々な企業でCFO/FP&A責任者を歴任してきたグロービス経営大学院の鷲巣大輔が詳しく語ります。

第3回目は、FP&Aがいかに財務諸表を武器として価値を生むのか、というテーマでお話します。

【前回までの振返り】

前回までのコラム(No.3585、3583)で、FP&Aは意思決定権者である経営者にとってのビジネスパートナーであり、洞察力に満ちた分析や見解を提供することで、意思決定の質を高めるのが使命であるというお話をしてきました。もちろんFP&A以外にもビジネスパートナーとして同様の使命を持つ人はいますが、FP&Aならではのポイントは、やはり会計の専門知識をフル活用しながら、「財務諸表」を武器とする点です。この「会計の専門知識を活用」し、「財務諸表を武器として使いこなす」とは具体的にどのような形で意思決定に貢献をすることなのでしょうか。今回はこ...