Q&Aコーナー 気になる論点(329) FASBの概念フレームワーク案(2)
早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一
Q 米国財務会計基準審議会(FASB)が、2022年11月に公表した財務会計概念書(SFAC)第8号の公開草案「財務報告のための概念フレームワーク:第5章 認識及び認識の中止」(SFAC第8号第5章改正案)では、認識の中止について、IASBが2018年3月に改正した「財務報告に関する概念フレームワーク」(IASB概念フレームワーク)と同様の提案をしているのでしょうか。 |
A
SFAC第8号第5章改正案では、ある項目が認識規準のいずれかを満たさなくなった場合、認識を中止することを提案しています。ただし、継続的な関与がある場合には、認識規準を満たす権利と義務を生み出す可能性があり、取決めの結果を忠実に表現するように認識されるべきであるとしています。基準レベルでの検討が必要という意味ではIASB概念フレームワークと類似しているとも考えられますが、背景や留意点等を詳細には示していません。
〈解説〉
認識の中止(1)‐2021年公表のSFAC第8号第5章改正案
これまでのSFAC第5号は、認識の中止の問題を明示的に扱っていませんでした。FASBは、より包括的なフレームワークを提供するために、その問題に対処す...
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