IASBではこの10年ほど、「開示イニシアティブ」プロジェクトにおいて財務情報の開示の有用性向上を検討してきた。開示全般については、2021年３月の公開草案公表などを経て、2023年３月８日にガイダンスを公表した。IASBは今後、同ガイダンスに則って開示要件を定めることとなる。

「開示イニシアティブ」プロジェクトは、既存の開示における「関連性のある情報が十分に開示されない」あるいは「関連性のない情報が多く開示されすぎる」といった問題に端を発したもの。その原因をIASBが協議文書などを通じて分析したところ、詳細な開示目的が定められていないために、企業が「要求されている開示要件がなぜ有用か」を理解で...