ISSB 国際的な指標への置換えなどを予定

SASB基準改訂に向けた議論始める
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国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は3月16日開催のボード会議から、サステナビリティ会計基準審議会(SASB)基準の「国際的な適用可能性」に関する議論に着手した。同基準は米国で作られたため、米国固有の部分を改訂し、国際的に適用可能なものにする。ISSBは2023年中の基準改訂を目指している。

S1基準の発効日前の完了目指す

SASB基準を所管していたSASBは、国際統合報告評議会(IIRC)との合併を経て、現在ではISSBに統合されている。そのため、SASB基準の改訂作業もISSBの所管となった。

ISSBは、2022年3月に公表した気候変動開示に関する基準(S2基準)案の「付録B」でSASB基準を基にした産業別の開示要求を提案したが(その後の再審議で付録Bは要求事項から外れ、例示となった)、今回着手したプロジェクトはS2基準案とは別個の議論だ。気候変動に限らず全般的な事項を視野に入れた改訂を目指しており、全般的な要求事項に関する基準(S1基準)との関連性が強い。そのため、SASB基準の改訂に関する公開草案を5月に公表し、年内に改訂を完了することで、S1基準の発効日(適用開始日)であ...