ミニファイル 金利上昇とのれん減損の基準間差異

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世界的な金利上昇の影響などにより、IFRS適用会社において、のれんを減損する企業が相次いでいる( No.3601・9頁 )。一方、日本基準適用会社では、のれんを減損する企業はほとんど見られない。こうした違いが生じる要因の一つが、のれんの減損手続きに係る基準間差異である。

第1に償却の有無が異なる。周知のように、IFRSではのれんを定期償却せず、減損で対応する。昨年11月開催のIASBのボード会議でも、この方法を続けることで決着した(No.3583・5頁)。これに対し日本基準では規則的にのれんを償却し、減損は未償却残高に対して行う。償却により帳簿価額が小さくなっていく日本基準と比較すると、IFRSでは...