ミニファイル ISA570改訂の影響

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IAASBが4月26日に公表した国際監査基準(ISA)570「継続企業」の公開草案では、複数の論点が提示されているが、すべてが目新しいものではない。例えば、リスクの識別・評価に関して、企業が継続する能力に「重要な疑義」(significant doubt)を生じさせる可能性のある例が追加されたが、これは2019年に改訂されたISA315「重要な虚偽表示リスクの識別と評価」との一貫性を確保するためのもの。ISA315に基づく監査は既に実務に落とし込まれているため、「あまり大きな影響はないかもしれない」とする声も聞かれる。

他方、実質的な影響を伴うのが、監査報告書の変更と評価期間の変更だ。前者は監査...