「リースに関する会計基準(案)」の詳細解説(中)

 公認会計士・税理士 太田達也

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Ⅲ 借手の会計処理

借手の会計処理については、IFRS第16号と同様の「使用権モデル」が採用されており、ファイナンス・リースとオペレーティング・リースの区別はない。

1.リース期間

(1)延長オプションおよび解約オプションの取扱い

リース期間の取扱いは、現行の企業会計基準第13号「 リース取引に関する会計基準 」(以下、「企業会計基準第13号」)に基づく場合と異なる期間となる可能性がある点に留意する必要がある。会計基準案の内容は、次のとおりである。

リース期間は、リース契約書に定められた解約不能期間と一致する場合が多い。リース契約書に解約オプションがない場合には、契約期間と解約不能期間は一致する。しかし、借手に延長オプションまたは解約オプションの権利があり、延長オプションの行使をすることが合理的に確実である場合および解約オプションの行使をしないことが合理的に確実である場合は、それらの対象期間を解約不能期間に加える(会計基準案29項)。ここでは借手のオプションのみが考慮され、貸手のオプションは考慮しない。

リース期間

リース期間=解約不能期間+借手の延長オプションの対象期間※1+借手の解約オプションの対象...