<IFRS COLUMN>暖簾に腕押し 第86回 概念フレームワーク(2)

 国際会計基準審議会(IASB)前理事 鶯地 隆継

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七人の侍

「七人の侍」は、黒澤明監督による世界の映画史に残る名作である。1954年に公開されたこの映画は、興行的に大成功を収めたばかりではなく、ハリウッド映画にも大きな影響を与えた。ハリウッドの西部劇の名作で、その後シリーズ化もされた「荒野の七人」は、黒澤作品の「七人の侍」のリメイク版である。

「七人の侍」は野武士の襲撃に悩む百姓の依頼に応じて集められた身分も経歴も異なる浪人7人が、最初はバラバラだったが、いずれ力を合わせて村を守るというストーリーである。このような、キャラクターの異なるメンバーを1人1人集めて事に立ち向かうというストーリー構成は「荒野の七人」のみならず、「オーシャンズ11」など様々なエンターテイメント映画の雛形となった。

ちなみに「7」は洋の東西を問わず特別な数字との認識がある。西洋においては、旧約聖書の「神が天と地と万象とを6日間で創造し、7日目を安息日とした」という記述が現在の1週間の起源となっている。仏教においても、「初七日」など7日ごとの7回法要の最後の供養として7かける7の「四十九日の供養」がある。他にも七福神や、世界の七不思議、ラッキー7など、「7」はやはり特別...