ミニファイル 気候関連リスクと資産の減損

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IASBが2023年3月から開始した「財務諸表における気候関連リスク」プロジェクトは、IFRS会計基準が気候関連リスクに適切に対応できていないのではないか、との声に応えるためのものだ。現在はIFRS解釈指針委員会など各所で情報収集をしており、2023年後半に方向性を決定する。

同プロジェクトは「維持管理プロジェクト」のため現時点では新たな基準の開発は予定しておらず、既存の基準の改訂を見込む。論点の一つになっているのが、IAS第36号「資産の減損」におけるキャッシュ・フロー予測に関する規定だ。

IAS第36号はキャッシュ・フロー予測期間に関して、経営者がその予測が信頼できると確信でき、かつ「過去の経...