Q&Aコーナー 気になる論点(343) 日本公認会計士協会の実務指針等の移管
早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一
Q 企業会計基準委員会(ASBJ)と日本公認会計士協会(JICPA)は、2023年6月20日に「日本公認会計士協会が公表した実務指針等の移管に関する意見の募集」(意見募集)を公表しています。何が課題なのでしょうか。 |
A
意見募集では、いくつかの課題を挙げていますが、JICPAが公表した企業会計に関するQ&Aを含む実務指針(実務指針等)の改廃は実質的にASBJが行っているにもかかわらず、JICPAのデュー・プロセスを経て改廃を行わなければならず、基準開発の効率が悪いことが事実上の課題と考えられます。
〈解説〉
経緯
意見募集では、わが国の会計基準等は、ASBJが設立された2001年前後において、[図表1]の状況であるとしています(2項)。
[図表1]わが国の会計基準等の公表
会計基準等 | 公表している主体 | |
2001年前 | 会計基準 | 企業会計審議会 |
実務指針等 | JICPA | |
2001年後 | 会計基準 | ASBJ |
適用指針 | ||
実務対応報告 |
意見募集では、企業会計審議会が公表した会計基準の改廃の責任については、ASBJが負うとしており、企業会計審議会が公表した会計基準をASBJが改正する場合には、以下があるとしています(4項)。
(1)ASBJ...
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