バーチャルオンリー株主総会、定款変更を取り止めた事例も

経済産業・法務大臣への確認を受けた上で変更を
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場所の定めのない株主総会(バーチャルオンリー株主総会)の制度が創設されて2年が経過した。バーチャルオンリー株主総会は、経済産業大臣および法務大臣の確認を受けた上で、株主総会を「場所の定めのない株主総会」とすることができる旨を定款に定めることで開催が可能となる。7月開催の株主総会では、海外機関投資家の一部が反対票を投じる動きに反応し、直前で定款変更を取り止めた事例も出ている。

海外の機関投資家の動きに反応

産業競争力強化法の改正(2021年6月)により、会社法の特例として、上場会社はバーチャルオンリー株主総会の開催が可能となった。経済産業大臣および法務大臣の確認を受け、株主総会を「場所の定めのない株主総会」とすることができる旨を定款に定める必要がある。

経済産業省の調べによると、バーチャルオンリー株主総会を開催した会社は本年6月末時点で52社あり、定款変更議案を総会で決議した会社は411社ある。

一方、バーチャルオンリー株主総会を可能とするための定款変更を中止した事例も出ている。EC、決済、保証事業を展開するラクーンホールディングス(東プ、情報・通信業)は、6月29日開催の取締役会において、7月...